【読書感想】多崎礼『煌夜祭』:冬至の夜に読みたい大人のための童話

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【読書感想】多崎礼『煌夜祭』:冬至の夜に読みたい大人のための童話

この記事は、一部ネタバレを含みます。

目次

『煌夜祭』の基本情報

2つの外伝が追加された新装版がおすすめ

タイトル煌夜祭
著者多崎礼
出版社中央公論社
発行日2023/11/10
ジャンル小説
ページ300ページ

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『煌夜祭』のあらすじ

魔物の姫に会ったあの時、人生のすべてをかけて、彼らを救うと心に決めた――

ここは生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り継ぐため、年に一度、冬至の晩に煌夜祭が開かれる。今年もまた人を喰らう恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語の幕が上がる。

『レーエンデ国物語』で話題沸騰の著者の原点となるデビュー作に、外伝「遍歴(ピルグリム)」「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」を加えた決定版。

冬至の夜に語られる人と魔物の誓いの物語。『レーエンデ国物語』著者の原点、圧巻のデビュー作!外伝短篇「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」「遍歴」収録。

引用:Amazon

本作の舞台は、蒸気で浮かぶ不思議な18の島々。

冬至の夜、島主の屋敷に「語り部たち」が集まり、煌夜祭が開かれます。

「語り部」は世界を旅して、民話や伝承を伝え歩く人々です。

りお

まるで百物語のように、朝まで物語を語ります

魔物と人間たちを描く、少し切なく、悲しいファンタジー作品です。

『煌夜祭』ジャンル、カテゴリー

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目次

  • 序章
  • 第一話『ニセカワセミ』
  • 第二話『』
  • 第三話『魔物の告白』
  • 第四話『七番目の子供はムジカダケ』
  • 第五話『王位継承戦争』
  • 第六話『呪い』
  • 第一話『すべてのこといんは意味がある』
  • 終章
  • 外伝「夜半を過ぎて 煌夜祭前夜」
  • 外伝「遍歴(ピルグリム)」
  • あとがき

今日の読書のお供

今日の読書のお供は、ガレット・ブルトンヌ。

フランスの伝統的製法で作られたクッキーは食べ応えがあって、満足な一品。

手に取った理由

2024年の本屋大賞にもノミネートされた多崎礼さんの『レーエンデ国物語』シリーズを読了。

最終巻である5巻の発売を待つ間に、著者の他作品も読んでみたいと気になり、デビュー作である本作をチョイスしました。

『煌夜祭』の感想・レビュー

『煌夜祭』の感想・レビュー

大人が読みたいおとぎ話

物語のテーマは魔物と人間、戦争と貧困、そして夜の世界。

少し切ない、大人向けの童話が描かれています。

物語には、森に捨てられた子ども、強い敵国を知恵で倒す少女、森の奥に住む魔女、呪われた王子など、おとぎ話的な要素が満載。

RPGやファンタジー好きにも響く、魅力的な世界観が広がります。

悲劇でも、残った一筋の光が歴史を作る

著者の作品は『レーエンデ国物語』シリーズの4巻までと本作を読了していますが、どちらにも共通する雰囲気があります。

それは、「ひとつひとつの物語は悲劇でも、残った一筋の光が歴史を作る」ということです。

切なく悲しい話が多い多崎礼さんの作品たち。物語の登場人物たちは、しばしば悲劇的な経験し、使命を果たすために命を落としてしまう。

本作を読んで、私はユゴーの『レ・ミゼラブル』に登場する志半ばで倒れていく青年たちを思い出しました。彼らは国や未来を思い、革命を起こすために命を賭けますが、次々と命を落としていく。

しかし、彼らの願いは積もり積もって、未来へと続く光となる。多崎さんの作品には、そんな希望の後味が残ります。

物語を読み進めるうちに、すべての短編に登場するキャラクターたちがつながっていることに気づきます。

各短編は、おとぎ話や民話のような幻想的な短編で、それ自体が面白い。

他の物語にも登場人物が再登場することで、全体的なつながりを予感させながら読み進めるのが楽しかったです。

人を食べる魔物の生きる意味とは…?(ネタバレ含む)

本作には、「魔物」という存在が登場します。彼らは非常に強靭で、死ぬことはありません。

しかも、魔物たちは冬至の夜に人間を食べてしまうのです。その食欲を自分でコントロールすることはできず、自らの本能に従っています。

それでは、人に害しか及ぼさない、魔物たちはなぜ生まれ、何のために生きていくのでしょうか。

物語の中では、親に捨てられた少女・クォランと魔物の王子・ガヤンが出会い、別々の道を歩みながら魔物の存在意義を探し始めます。

人を食べてしまう魔物が自分の性と戦う姿に共感を覚えました。

誰しも自分の嫌いなところや変えられない部分、ハンディや個性を持っています。自分の実存をみとめ、受け入れ、強みに変えていくかといった問いが非常に興味深かったです。

また、魔物たちが人を食べることで、その記憶を吸収してくという設定が印象的。魔物たちの中に集まった情報はまさに人類の歴史そのものを象徴しています。

ガヤンは、他の魔物や人々を食べ、彼の中に人間たちの記憶が積み重なっていきます。それは点ではなく、線となって、歴史の大いなる流れを作り出すのです。

物語の中で、集められた人々の記憶が再び巡り会うシーンは、感動的でした。特に、悲恋に終わったクォランとエンが再会する場面がハッピーエンドになって、とても嬉しかったです。

さらに、特設サイトには文庫化されていない短編も掲載されているので、本編を読んだあとにぜひ覗いてみてください。

りお

興味のある方はこちらをチェックしてみてください。

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