小説『No.6 再開＃1』&amp;『＃2』の感想：14年ぶりの続編発売に歓喜

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タイトル	No.6　ナンバーシックス　再会＃1
著者	あさのあつこ
絵	toi８
出版社	講談社
発売日	2025年５月28日（水）

２歳の幼児検診で最高ランクに認定され、安泰な将来を約束されたエリートとして育った紫苑。
しかし12歳の誕生日に、部屋に転がりこんできた少年・ネズミを助けたことで、彼の世界が一変する。

紫苑が特別待遇を剥奪され、「ロストタウン」に追放されてから４年。彼の身の回りで次々と奇怪な事件が起きたことが発端となり、ネズミと共に戦いに身を投じた紫苑は、“聖都市”の本当の姿を知ることになる。

過酷な戦いの末、「NO.６」を崩壊させた紫苑とネズミ。
紫苑は「NO.６」再建委員長に就くが、ネズミは「再会を、必ず。紫苑」と告げ、姿を消してしまった。

それから２年。

紫苑は、不安定な政情に悩んでいた。さらに得体のしれない無差別暗殺者に狙われており、ネズミの存在を渇望していた。そんなとき紫苑は、ネズミの気配を近くに感じて……。

二人は、再び、誰もが虐げられない世界をつくることができるのか――?
罠だらけの現実に、二人は「希望」を見つけることができるのか――?

二人の新たな戦いが、幕を開ける。

引用：講談社コクリコ特設サイト

NO．6［ナンバーシックス］再会＃2 [ あさのあつこ ]

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タイトル	『NO.６再会＃２』
著者	あさのあつこ
絵	toi８
出版社	講談社
発売日	2025年９月３日（水）

旧市内で同時多発爆発が起こり、大混乱するNO.6。
「アリの巣」を破壊しようとする黒幕は誰なのか？　誰もが安心して暮らせる場所をつくろうとしている紫苑は「真実」を知ろうと奔走する。
そんな中、ネズミは紫苑の母である火藍に、ある提案をしにいく。それは火藍にとってもネズミにとっても辛い言葉になる。
ネズミが抱える「償いようのない罪」が明かされる2巻。

引用：講談社コクリコ特設サイト

感想（ネタバレあり）

発売前にAmazonのおすすめ表示で続編の存在を知ったときは、本当に驚きました。
まさか10年以上経って、あの「NO.6」の続編が出るなんて。

しかもサブタイトルが「再会」！！

タイトルからすでに“ネタバレ”されてしまっている気もしますが（笑）

それでも「紫苑とネズミの物語がまた読めるのか」と思うと、楽しみで胸がいっぱいになりました。

「NO.6」は、私にとって思い出深い作品です。
子供の頃にアニメを見たのがきっかけで、原作を一気読みしました。

当時、アニメのED「六等星の夜」が大好きで、よくカラオケで歌っていたのですが、その頃はAimerを知っている人はほとんどいませんでした。
今では日本を代表するアーティストになり、「六等星の夜」も再評価されているのが本当に嬉しいです。

後日譚にあたる『NO.6 beyond』を読んだとき、「いつか2人が再会が読めたらいいな」と願っていたことを思い出します。

発売前はあれほど楽しみにしていたのに、いざ本が届くと、もったいなくてなかなかページをめくれず……。
好きな作品ほど、早く読みたいのに、読みたくない……そんな葛藤がありました。

そして積読しているうちに、本屋で平積みされた2巻を発見。
これはもう読むしかない！と決意し、発売から約5ヶ月経って、ようやく読み切りました。

『再会』は、NO.6崩壊から2年後の世界を描いています。
No.6に残った紫苑と、旅を続けるネズミ。
戦いは終わったものの、決して平和ではない世界を舞台に、人々が新たな都市を築こうと奮闘します。

1巻は状況説明や振り返りが中心で、ハードカバーながらもボリュームは控えめ。「え、ここで終わり？」というところで幕を閉じました。
2巻では、不穏な空気を漂わせながら、紫苑とネズミの2人の決意が描かれています。

1冊がアニメ1話分くらいなので、ボリュームの少なさが少し残念です。

2巻までは紫苑、ネズミ、イヌカシ、火藍がピックアップ。

紫苑を想うからこそ手放す決意を固める火藍や、新米ママとしてのイヌカシ、2人の母としての視点が印象的でした。

また、物語全体を通して、「過去の悲劇を風化させない」というテーマが強く響いています。
残酷な出来事や散っていった人々を、ただ過去として葬るのではなく、二度と同じ悲劇を繰り返さないために――。
良いことも悪いことも記録し、うやむやにせず、人の死を単なる数字に置き換えない。
そこに確かに生きた人間がいたこと、魂があったことを忘れないようにしようという強いメッセージが、作品の随所で繰り返し語られていました。

もしアニメから『再会』シリーズに入った方がいれば、ぜひ文庫11巻の『beyond』を読んでほしいです。
ネズミと紫苑の父が邂逅する重要なエピソードがあり、これは『再会』に深くつながっていそう。

ブロマンス作品として、『NO.6』とよく比較されるのが『BANANA FISH』です。
どちらも私の大好きな作品ですが、その結末には大きな違いがあります。

『BANANA FISH』ではアッシュが亡くなり、英二と死に別れてしまいます。

『BANANAFISH』でも後日譚が語られており、残された英二の生き方やアッシュの死を受容していく姿が描かれてました。

一方の『NO.6』の無印では、紫苑とネズミは生き別れという形でそれぞれの道を歩み始めます。
死ではなく、生きることを選んだ2人。
だからこそ、この再会編では、彼らがどのようにして再び手を取り合い、共に生きていく未来を築いていくのか……その過程が何より楽しみであり、期待しています。

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NO．6［ナンバーシックス］再会＃1 u0026 ＃2 2冊セット [ あさのあつこ ]

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最近、「物語のその後」を描く作品が増えていますよね。
『怪獣のあとしまつ』や『葬送のフリーレン』、ディズニーの『ディセンダント』や『魔法にかけられて2』など。
単なるハッピーエンドで終わらず、その後の現実や人生を丁寧に描こうとする流れを感じます。

『NO.6 再会』もまさにその系譜であり、崩壊後の世界でどう生きていくのかという「その後の物語」だと思います。

2巻まで読み終えた今は、ようやく物語が本格的に動き出したという印象です。
1冊のボリュームは少ないですが、これからどんな再会と別れが描かれるのか、期待しかありません。
次巻の3巻は2026年春発売とのこと。今度こそ、届いたらすぐに読みたいと思います。

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