今回は『カササギ殺人事件』をご紹介します。
2018年の本屋大賞翻訳部門1位に選ばれ、ミステリファンの中でも話題となった1冊です。
「このミステリーがすごい」などの賞を受賞し、日本国内でも人気を博しました。
古典✖️現実の2つの世界の謎がクロスしていきます。
何重にもかけられた伏線が読み応えのある一冊です。
『カササギ殺人事件』のあらすじ
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は──。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
カササギ殺人事件〈上〉|東京創元社 公式サイト
ロンドンの自宅にて、編集者のわたしは原稿を読み始めます。
それは名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』。
最後まで原稿を読み終えると、結末部分が失われていることに気づきます。
一方で、作者が自殺したという知らせが届き……。
現実では作者の死の真相と消えた原稿、小説部分の犯人は誰なのか、2つの世界がクロスしていきます
『カササギ殺人事件』の感想・レビュー
POINT1:現実と小説の2つの世界と謎
上巻は、作中作である「カササギ事件」の原稿となっています。
古典的な殺人事件をフーダニット形式で探偵が謎解きしていきます。
一方下巻では、作者の死の真相と失われた原稿の謎を、ミステリー小説の編集者が追っていくストーリーです。
現実世界と小説世界の2つの世界を行ったり来たりする構成だよ
POINT2:アガサ・クリスティ作品のオマージュ
作中作の名探偵アティカス・ピュントシリーズはクリスティー作品をオマージュして作り上げられています。
「カササギ殺人事件」もクリスティー作品のような世界観です。
探偵のアティカス・ピュントはまるでポワロのよう。
「イギリスの片田舎の小村で、家政婦と館の主人が殺された。犯人は?」という典型的なミステリー作品
その他にもピュントのシリーズではクリスティー作品からキャラクターや建物・通りの名前が取られているようです。
古典のミステリーファンはネタ探しをするのも楽しそう
POINT3:怪しい容疑者が多すぎる
本作は小説パート、現実パートもどちらも怪しい人物が多すぎる。
「カササギ殺人事件」の作者は身近な人々を小説の作品内に取り込んでいました。
現実パートには、小説のキャラクターのモデルになった人々が登場していきます。
小説内のキャラクターが誰に当たるのか、読み解くとさらに面白い
下巻で探偵役の編集者が調査を進めるごとに、作者の隠されていた素顔が明らかになっていきます。
小説も現実も、被害者と揉めていた人物が多すぎて、みんな怪しい……
『カササギ殺人事件』の感想・まとめ
- 古典ミステリーが好きな方
- 現実×小説のクロスオーバーが見たい方
- 話題のミステリー作品を押さえておきたい方
今回は『カササギ殺人事件』をご紹介しました。
私はAudibleを利用して、本作を聴きました。
現実パートを山口由里子さん、小説パートを佐々木望さんが担当しております。
有名声優さんの力の入った芝居で、世界観に没頭してしまいました。
長い小説が苦手な人でも、ドラマみたいで頭に入りやすいよ
本作は上下巻合わせて700ページにも渡ります。
長い時間をかけると、上巻の小説パートの内容を忘れてしまいがちです。
上巻の世界観を忘れないように、一気読みがオススメです
『カササギ殺人事件』はAudibleで発売中です。
ハードカバー1冊以下の値段で、12万以上の本が聴き放題です。
「聴く読書」で読書量が劇的にUPしませんか。
今なら30日間無料体験を実施中です。
書籍情報
書籍名 | カササギ殺人事件 |
著者 | アンソニー・ホロヴィッツ |
出版社 | 創元推理文庫 |
ページ数 | 上:345ページ 下:382ページ |
発売日 | 2018/9/28 |
文庫本1冊の値段で、
小説・漫画・雑誌など200万冊以上が読み放題
Kindle Unlimitedを利用して本を読みませんか?
今なら30日間無料で利用できます。
読書好きな方は、ぜひ一度お試しください。